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自分所有の敷地内で事故を起こしてしまったら?!
こんにちは。 皆さん、⽇々安全運転を⼼がけて、⽣活して頂いているかと思います。
今回はちょっと珍しい内容で、皆さんにお届けします。
さて。
⾃分所有の敷地内、例えば自宅の駐車場で⾞を擦ってしまった、傷付けてしまったなどの事故を起こしてしまった経験がある⽅もいるかもしれません。
実は⾃宅敷地内での事故でも警察への通報が必要なケースがあるんです!
1.自宅敷地内での事故はどの事故に当てはまる?!
⾃宅の駐⾞場やガレージで⾞をぶつけてしまった事故は、『⾃損事故』となるケースが多く⾒られます。
【⾃損事故とは、他の⼈や⾞が関与していない、⾃分だけの単独事故】のことをいいます。
⾃損事故を起こしてしまった場合に、
① 運転していた本⼈がケガをしてしまう可能性
② ⾞⾃体の修理費⽤が発⽣する可能性
③ 家の壁やフェンスなど⾞以外の修理費⽤の発⽣の可能性
上記のようなことが考えられます。
もし、⾃宅の駐⾞場であるとしても単独事故ではなく、事故の相⼿がいる場合には、『⼈⾝事故』として適切に対処する必要があります。
交通事故に関する報告義務は、道路交通法に基づいているため、⼀般的には交通事故が発⽣した場合、警察にその事実を報告する義務があります。
しかし、⾃宅の敷地内で発⽣した事故については、この法律の適⽤範囲外であるため、警察への通報義務は基本的には⽣じません。
ただし、事故によって他の⼈がケガをした場合などは、そのケガの程度に関わらず警察に報告することが推奨されます。 これは、加害者が過失運転致死傷罪などの法的責任を問われる可能性があるからです。
さらに注意点として、⾃分の敷地内であっても、商業施設の駐⾞場や⽉極駐⾞場など公共の場であれば、道路交通法が適⽤される場合があります。 そのような状況では、警察への通報義務が発生するので注意が必要です。
2.警察に連絡しておかないと保険が使えない?!
自宅での自損事故においても、保険の適用を受けるためには一定の手続きが必要です。
特に、警察に事故報告しないと、自損事故が対象となっている対物賠償保険や車両保険などであっても、自動車保険が適用されないケースがあります。
警察に事故報告すると、通常「交通事故証明書」が発行されます。
この証明書は、実際に事故が発生したことを証明する公的な書類であり、保険会社が保険金の支払いを行う際には、この証明書の提出が求められます。
自宅での自損事故でも、警察に報告すれば交通事故証明書は発行されるので、後から保険金を請求する際にスムーズに手続きを進めていくことが可能です。
交通事故証明書の発行は事故発生日から1週間程度かかることがあります。
警察に報告しないと、保険金を請求する際に必要な証明書が手に入らず、保険が適用されない可能性が高くなります。 自損事故であっても、将来的に保険を利用する可能性を考慮するなら、警察への報告は重要な手続きとなります。
3.警察への事故の報告は後日でも可能な場合もある?!
事故が発生した際に即座に警察に通報できない状況も考えられます。 そのような場合、後から最寄りの警察署で事故報告をすることも許されています。
しかし、後日の手続きにはいくつかのリスクが考えられます。
① 時間が経過すると、事故現場の証拠が失われる可能性がある。⇒過失の割合を正確に判断できなくなることがあります。
② 後日、体調不良が出た場合でも、その症状が事故によるものと証明するのが難しくなる可能性がある。⇒後日、医療機関を受診する際に自賠責保険適用の診療が難しくなることもあります。
③ 事故報告が遅れた場合、そもそも警察が受付しないケースもあります。⇒事故として受付されない場合、保険の適用が受けられなくなる可能性が高くなります。
したがって、事故が発生した場合は、できるだけ速やかに警察に通報することが望ましいでしょう。
4.交通事故証明書が発行されない場合も?!
駐車場での事故においては、その駐車場が道路交通法の適用かどうかで、事故後の手続きが変わることがあります。
〇自宅の駐車場で事故
⇒道路交通法の適用外になる為、警察から「交通事故証明書」が発行されない可能性があります。このような状況で保険請求をする場合は、「人身事故入手不能理由書」を提出する必要があります。(この書式は、保険会社や各都道府県から入手することができます)
〇自宅敷地内だが、商用施設などが含まれる場合
⇒道路交通法が適用され、警察から「交通事故証明書」が発行される。ただし、交通事故証明書が発行されない場合でも、警察への報告義務が無いわけではありません。
事故の状況や影響によっては、道路交通法などにより警察への報告が必要な場合もあります。
駐車場での事故は、状況によって判断が難しい場合も少なくありません。そのため、事故が発生した際には、まずは警察に連絡して状況判断してもらうことが重要です。これにより、後々のトラブルを避けることができます。
5.自分の家で車をぶつけて警察に通報しないとどうなる?!
自宅で事故が発生した場合、特にケガがないような状況では、「警察を呼ばなくてもいいのでは?」と考える人もいると思います。
特に、事故が軽ければ、警察を呼ばずに済ませようと考えがちです。
しかし、警察に報告しておかないと、「交通事故証明書」「実況見分調書」といった、重要な書類が作成されません。
〇交通事故証明書:自動車安全運転センターが発行する公的な証明書で、事故が起きたことを証明するものです。この書類がないと、後で保険金を請求する際に手続きが難しくなる可能性が高くなります。
〇実況見分調書:事故の詳細な状況や当事者の証言が記録された書類です。事故に他の当事者が関与している場合、この書類がないと後日トラブルが発生したときに証拠が不足する可能性があります。
上記でも述べた通り、自宅内での事故の場合には警察への報告は義務ではありません。(道路交通法の適用を除く)
しかし、後々の問題やトラブルを防ぐための証拠を確保するためにも、判断が難しい場合には、まずは警察に相談することが大切です。
6.損害賠償ができない?!
事故を警察に報告しないで終わらせた場合、損害賠償を受けることが難しくなる可能性があります。
多くの場合、事故による損害は保険会社を通じて賠償されますが、警察に報告していないと、保険会社が賠償金の支払いを拒否する可能性が高くなります。
特に、事故そのものや車の損傷が軽微であればその場で示談または通報せずに済ませることも考えられますが、その場合、後々保険会社に請求する際に必要な「実況見分調書」が作成されません。
結果、事故の詳細な状況についての証拠が不足し、適切な賠償金額を算出するのが難しくなる可能性があります。 さらに、事故後に後遺症が出ることや、損害が当初考えていたよりも大きかった場合、追加で損害賠償を請求することが難しくなります。
そのため、自宅での事故でも警察への通報が後々の損害賠償をスムーズに行うために重要になります。
7.保険金を請求できない?!
自宅での自損事故においても、対物賠償保険や車両保険が付帯されている自動車保険であれば、保険金を受け取ることができます。
しかし、そのためには交通事故証明書の提出が必要とされています。この証明書がないと、保険金の請求が認められないケースが多いです。
自宅の門や家屋に損害を与えた場合、これは対物賠償保険の適用範囲内になりますが、警察へ事故報告をしないと交通事故証明書は発行されず、損害に対する賠償は自己負担となり、保険金は受け取れません。
また、自分自身がケガをした場合には、搭乗者傷害保険や人身傷害補償保険などが適用される可能性があります。
しかし、これも警察に事故報告をしていないと、保険金の請求が難しくなります。
さらに、事故から時間が経過すると、警察が事故の証明を受付しない可能性も考慮する必要があります。 そのため、自宅での自損事故でも、後々の保険金請求を検討するのであれば、警察への相談はとても重要な手続きとなります。
自宅での自損事故の場合、「交通事故証明書」が発行されないことがありますが、こ のような場合には保険会社や各都道府県から入手できる「人身事故入手不能理由書」を提出する必要があります。
8.道路交通法違反として罰則が科せられることもある?!
一般的に自宅の敷地内での事故は、道路交通法の適用外とされています。 しかし、店舗の駐車場のように、多くの人が出入りする場所での事故は、道路交通法が適用される場合があります。
このような状況で警察に事故報告しないと、道路交通法違反として罰則が科せられる可能性が生じます。
〇道路交通法第 72 条に基づき、事故を警察に報告しなかった場合、最大で3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられることがあります(道路交通法第119条)。
よって、自宅であっても公共の場で事故を起こした場合、道路交通法によって、警察への報告義務があり、報告しないと法的な問題が生じる可能性があります。
このようなリスクを避けるためにも、事故が発生した場合は適切な手続きを踏むことが重要です。
そして、自宅の駐車場で他人によって車が損傷した場合、その事故が軽微でも、警察に相談することが推奨されます。
一般的に、自宅の敷地内での事故は道路交通法の適用外ですが、他人が関与する事故では後々のトラブルを防ぐためにも、警察への報告が重要です。
軽い接触事故である場合には、相手から「警察を呼ばないで済ませよう」と提案されるケースは少なくありません。
しかし、警察へ事故報告しないと、後で保険金や賠償金を請求する際に必要な書類が作成できないという問題が起きます。
さらに、事故が起きた当初は相手が自分の過失を認めていたとしても、後日になって「証拠がない」「被害者側にも過失があった」と主張する可能性もあります。
このような後からのトラブルを避けるためにも、警察による公式な記録が必要です。
そのため自宅敷地内で他人により車が損傷した場合、その事故がどれだけ小さくても、警察に事故報告することで、将来的なトラブルや保険請求に備えることができます。
9.物損事故なら任意保険での対応が可能?!
自宅の駐車場で他人によって車が傷つけられた場合、その損害は物損事故として扱われます。
物損事故の場合に、加害者が任意保険に加入しているのであれば、その保険を通じて賠償金を受け取ることができます。 加害者の任意保険から賠償を受けることで、被害者は自分の負担を軽減できます。
一方で、被害者自身が任意保険に加入している場合、その保険の車両保険を活用して修理費用などを補填することも可能です。
このように、自宅敷地内で他人に車を傷つけられた場合でも、任意保険をうまく活用することで、賠償問題をスムーズに解決できます。
10.人身事故なら自賠責・任意保険での対応が可能?!
自宅の駐車場で他人にケガを負わせた場合、人身事故の取り扱いとなります。
このような場合では、いくつかの保険が活用できます。
まず、加害者側の自賠責保険が適用され、被害者に対する賠償金が支払われることになります。
【自賠責保険での限度額は120万円までの扱いになり、限度額120万円には、治療費、慰謝料、通院交通費、休業損害補償などの補償が含まれています。】
自賠責保険は日本で自動車を所有する際に、必ず加入する強制保険ですので、基本的にはこの保険からの賠償が行われます。
次に、加害者が任意保険に加入している場合、その保険からも追加の賠償が可能です。
任意保険の契約内容によっては、自賠責保険以上の賠償が受けられる場合もあります。さらに、被害者自身が加入している人身傷害保険や同乗者傷害保険なども、人身事故で活用できる場合があります。
これによって、被害者はさらに安心して賠償を受けることができます。
このようにして、被害者も加害者も、保険を上手に利用することで、事故後の手続きをスムーズに行えます。
まとめ
今回は、自分所有の敷地内で事故を起こしてしまった場合についてという条件での事故についてお話しました。
自宅敷地内なので警察へ通報(事故報告)をしなくても法律上の問題はありません(ケガをした被害者がいる人身事故や道路交通法が適用される場合を除く)が、保険を利用したい場合は警察への通報を行うことで発行される書類が必要になるなど、公道での事故と条件が変わってきます。
理解したうえで柔軟に対応できることが安心、安全な運転につながりそうですね!
あやせ駅前整形外科・内科では、交通事故防止のための啓発活動にも力を入れています。
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