足立区 交通事故治療 常磐線・千代田線の綾瀬駅西口1分 整形外科、内科、リハビリテーション科

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なぜ交通事故は起こるのか?[前編] -統計から対策を学ぶ-

皆さん、こんにちは。

日が沈むのも早くなりましたね。
夕方、交通量の多い時間帯は、薄暗く見えにくいとされる「薄暮(はくぼ)時間帯」と重なり、交通事故も増加する傾向があります。

あやせ駅前整形外科・内科には予期せぬ交通事故に遭遇し、治療のため通院されている患者さんが多くいらっしゃいます。

交通事故に苦しむ方を一人でも減らそうと当院では啓発活動をしておりますが、残念ながら交通事故は後を絶ちません。

では、交通事故はなぜ起こるのでしょうか?

交通事故を減らすには、やはり根本的な理由を探るのが一番だと思い、今回は過去の統計から、その傾向を探り私たちは何を意識すべきなのかを、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

 

【交通事故の原因となる上位10の理由】

今回参考にした、警察庁交通局の「交通事故の発生状況」の法令違反別交通事故件数の推移によると、平成24年(2012年)〜令和4年(2022年)の10年間の交通事故の原因上位10の内、なんとその半分の理由が「安全運転義務違反」の区分となっており、運転者の安全意識が交通事故の発生に大きく影響していることがわかりました。


以下、上位からその理由を解説していきます。

 

【1】安全不確認(安全運転義務違反)

交通事故の原因として最も多いのは、安全不確認です。

安全不確認とは、一時停止や徐行はしたものの、十分な安全確認をしなかったことにより、車両や相手の発見が遅れることを言います。


例えば、十字路で一時停止と左右確認をして右折したら、左方から来た自転車の発見が遅れ、ぶつかって交通事故を起こしてしまった、というようなケースです。

 

【2】脇見運転(安全運転義務違反)

安全不確認に次いで多いのが脇見運転です。

脇見運転とは前方から視線を外して運転をする行為のことをいます。例えば、運転中に景色などに気を取られたり、後部座席の人と会話しようとして前を向いていない時に交通事故が発生してしまうケースなどがあります。


またカーナビやスマホの操作でも同様の交通事故が発生することが増えています。

 

【3】動静不注視(安全運転義務違反)

動静不注視とは、他の車や歩行者の存在には気付いているものの、危険ではないと判断し、それらの動静への注意を怠ったことを言います。

注意を怠るという点では安全不確認と似ていますが、こちらは相手には気付いているものの「たぶん大丈夫だろう」という先入観、判断の誤りが事故の引き金となります。


例えば、「前にいる車がまさか車線変更をするとは思わず注視していなかった」など、判断の誤りで交通事故を起こすケースなどがあります。

 

【4】漫然運転(安全運転義務違反)

漫然運転とは、集中力や注意力が低下した状態で車を運転することです。


例えば、前方を見ながら運転はしているものの、ぼーっと運転していたり、考え事をしていたりと、運転に集中できていない状態で交通事故を起こすケースなどがあります。

 

【5】交差点安全進行義務違反

車などで交差点を通行する際は、他の車両や歩行者に注意を払って走行しなければならないとされており、例えばウィンカーを出さずに右折及び左折してしまったり、安全な速度で走行しなかった場合には、交差点安全進行義務違反となります。

交通事故につながるような過失が認められるような場合には安全運転義務違反となります。

 

【6】運転操作不適(安全運転義務違反)

運転操作不適とは、その名の通り運転操作全般のミスをいいます。

「ブレーキ操作不適」と「ハンドル操作不適」が含まれ、ブレーキペダルの踏み間違いやハンドル操作の過ちなどがあげられますが、片手運転も運転操作不適になります。


例えば、最近では高齢者のブレーキとアクセルのペダルの踏み間違いによる交通事故が多発しており、社会的にも問題認識されていますね。

 

【7】指定場所一時不停止

道路標識や路面表示の「止まれ」などを用いて車両に一時停止することを指定している場合があり、停止行為を行わないことで指定場所一時不停止、交通違反となります。

運転中の交差点や曲がり角で一時停止を怠ってしまうことでも違反となります。


一時停止が求められている場所でそれを無視して交差点などに進入することで起こる交通事故のケースを考えると、とても危険なことは容易に想像できますね。

 

【8】信号無視

信号無視とは、道路に設置された信号機の表示を無視して走行することです。

赤信号において、停止線を越えて交差点に進入することはもちろん、黄色信号になった後で停止線を越えて交差点に進入することも信号無視になります。

車の運転中、信号が赤になりそうなため、黄色信号でアクセルを踏むケースが散見されますが、交通事故につながる危険な行為です。
黄色は安全に停止することができない場合は、そのまま進むことができますが、黄色は「注意して進め」ではなく、安全に停止することができるのであれば「止まれ」です。

 

 

【9】歩行者妨害等

歩行者妨害等とは、横断歩道を渡っている、または渡ろうとしている歩行者がいるにもかかわらず、走行している車両が一時停止せずに進入した場合です。

小学生などが信号に合わせて横断歩道を渡っている時に、車両が信号無視で走行し接触する交通事故は、毎年のように耳にし、極めて重大な事故につながります。

 

 

【10】優先通行妨害

優先通行妨害とは、信号機がない交差点では、標識や道路幅によって優先道路とされていることがあり、この優先を無視して優先道路を走行する車両の進行妨害をすることです。


道路ごとに走行時の優先順位が決まっており、優先順位の低い側を走行している場合は、優先順位の高い側の自動車を妨害することで、大きな交通事故につながる危険があります。

 

【全体的な統計から見た傾向】

交通事故の件数は全体としてみると、参考にした10年間でおおよそ半数以下に減少しています。

具体的には交通事故の件数は平成22年(2010年) 725,924件であるのに対し、令和4年(2022年) は300,839件と半分以下に減少しています。

内閣府では
・道路交通環境の整備
・交通安全思想の普及徹底
・安全運転の確保、車両の安全性の確保
・道路交通秩序の維持
・救助・救急体制等の整備等
・交通安全基本計画に基づく諸対策を総合的に推進してきたこと
等々を交通事故件数の減少の理由として挙げています。

 

前述した事故原因上位10の合計はおおよそ25万件と、おおよそ事故件数全体の9割に達します。そしてその半分以上が「安全運転義務違反」となっており、運転者の安全に対する意識の低下が大きく関係していることがわかります。

 

【前編のまとめ】

ここまでは運転者の安全に対する意識低下が交通事故に大きく関与し、それが交通事故原因の大半を占めることをお話ししてきました。

それでは交通事故が起こる要素として「人」以外には、どんな要素があるのでしょうか?

次回後編では、原因の角度から要素の角度にシフトしてその傾向を見ていきたいと思います。

 

あやせ駅前整形外科・内科では、交通事故防止のための啓発活動にも力を入れています。

交通事故や交通事故治療に関するお悩みなどありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

 

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