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秋はどうして交通事故が多い? -交通事故防止への取り組みを解説-

秋はどうして交通事故が多い? -交通事故防止への取り組みを解説-

季節は夏を越え、朝晩の空気も涼しくなってきたことで、ようやく秋の移ろいを感じられるようになってきました。

お彼岸を過ぎると、日の入りも17時半前後と早くなり、より秋らしさを実感できますね。

一方で秋は交通事故が多くなり始めることから、「秋の全国交通安全運動」も毎年実施されています。

自転車は4月から、電動キックボードなどは7月から利用者に対してヘルメット着用の努力義務が課されたことも記憶に新しいところですね。

今回の秋の全国交通安全運動では、交通事故防止の取り組みに加え、これらの新しいルールの周知も行われるようです。

 

毎年春と秋に実施される全国交通安全運動、この時期に交通事故が起きやすい時期だとして実施されているようです。

それではそもそもなぜ、春と秋は交通事故が多くなってしまうのでしょうか?

今回は秋の全国交通安全運動の取り組みと合わせて、秋から注意が必要な内容をお伝えしていきたいと思います。

全国交通安全運動ポスター/内閣府

 

【2023年 秋の全国交通安全運動の重点項目】

(1) こどもと高齢者を始めとする歩行者の安全の確保

交通事故死者数全体のうち、一番割合が高いのが歩行中の死亡事故です。車両側の過失で起こる事故も多いのですが、歩行者側の法令違反で起こる事故も多く見受けられます。

特に走行車両の直前・直後の道路横断や横断歩道以外の横断,信号無視などの法令違反が認められるようです。

その中でも死者数の割合は高齢者が多く占めており、幼児や児童の死者・重傷者においても歩行中の割合が高く、下校が約4割を占める結果となっています。

このことから、こどもと高齢者を始めとする歩行者の安全の確保が交通事故件数削減には重要だと言えます。

 

(2) 夕暮れ時と夜間の交通事故防止及び飲酒運転等の根絶

例年、日の入り時間が早まる秋口以降は、夕暮れ時から夜間にかけて交通事故が多発するとされています。

この夕暮れの時間帯、特に日没前後の1時間は「薄暮(はくぼ)時間帯」と呼ばれ、周囲の視界が徐々に悪くなることから、運転手も歩行者も互いに存在に気付きにくかったり、互いの距離感がつかみにくかったりするなど、交通事故が起こりやすい時間帯とされています。

やはりこの薄暮(はくぼ)時間帯においても、道路横断中の自動車との接触による死亡事故が大きな割合を占めています。

また飲酒運転による悲惨な交通事故も後を絶たず、いわゆるあおり運転などの危険で悪質な交通事故も夜間に発生しています。

秋の交通事故の特徴として、薄暮(はくぼ)時間、夜間の交通事故リスクが高くなることが挙げられることになります。

 

(3) 自転車等のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底

実は自転車乗車中の交通事故死者数は減少傾向にあります。ただしこれは死亡者数のお話で、一方では自転車関連事故件数は2017年以降増加傾向にあり、全ての事故に占める自転車関連事故の割合も増加傾向にあるのです。

自転車乗車中の交通事故死傷者数の割合では、10歳~25歳未満の若年層の割合が高いようです。その中でも頭部を損傷することで亡くなるケースが半数を占めることから、ヘルメットの装着は死亡率に大きな影響があるようです。

実際、自転車乗車時の交通事故においては、自転車乗車側のほとんどに法令違反があったとされています。

冒頭でもお話ししたように、2023年4月、7月に道路交通法の一部が改正されたことで、自転車や電動キックボードなどでもヘルメットの着用が努力義務化されており、このルールの浸透が交通事故件数の改善には大切な要素となるようです。

 

【交通事故予防には地域全体での取り組みが重要!】

交通事故は当事者同士だけの問題ではなく、日ごろからの周囲への呼びかけや、お互いの交通事故予防に対する認識の向上など、地域全体を巻き込んだ取組が必要です。

内閣府では、下記の取組みが重要として呼びかけています。

※下記、内閣府サイトより引用したものを一部編集しております。

1 こどもと高齢者を始めとする歩行者の安全の確保

(1) 歩行者に交通ルールを守ってもらう

①道路横断の時には横断歩道を使用し信号を守る。

②運転者に対して横断する意思を伝えること。

③幼児・児童に対する飛び出しに対する教育。

④高齢者自身が自らの加齢に伴う身体機能の変化を理解し、安全な交通行動を実践するための交通安全教育等の推進

⑤反射材などの活用

(2) 歩行者の安全の確保

①こども達が日常的に集団で移動する経路等における見守り活動

②運転時の最高時速を30km/hまでと定める「ゾーン30プラス」の整備

④通学路の安全確保と点検

 

 2 夕暮れ時と夜間の交通事故防止及び飲酒運転等の根絶

(1) 夕暮れ時と夜間の交通事故防止

①薄暮(はくぼ)時間帯の死亡事故の特徴を啓発

②薄暮(はくぼ)時間帯の早めのライト店頭。

③夜間の対向車や先行車がいない状況におけるハイビームの活用。

(2) 運転者の歩行者等保護意識の向上

①歩行者や他の車両に対する「思いやり・ゆずり合い」などの交通マナーの呼び掛け。

②横断歩道等における歩行者等優先義務等、歩行者の保護

③運転者に対する歩行者保護に関する広報啓発の推進

④運転中のスマートフォン等の使用や注視の危険性についての広報啓発

(3) 飲酒運転の根絶

飲酒運転事故が増加 金曜の夜に飲酒検問を実施 根絶に向け取り締まり強化<福島県>(福島テレビ) - Yahoo!ニュース

①「飲酒運転を絶対にしない,させない」という「飲酒運転を許さない社会環境」の周知

②業務に使用する自動車の使用者等における義務の遵守の徹底

(4) 妨害運転等の防止

①あおり運転などの悪質・危険な運転についての広報啓発

②「思いやり・ゆずり合い」の気持ちを持った運転の啓発

③ドライブレコーダーの普及

(5) 高齢運転者の交通事故防止

(6) 全ての座席のシートベルト着用とチャイルドシートの正しい使用の徹底

(7) 二輪車運転者に対する広報啓発

 

 3 自転車等のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底

 

(1) 自転車利用者のヘルメット着用と安全確保

①全ての自転車利用者に対するヘルメット着用努力

②早めのライト点灯や反射材等の取付けによる薄暮時間帯の視認性向上

③幼児用座席に乗車させる際のシートベルト着用及び乗車・降車時の転倒防止

④安全確保のための定期的な点検

⑤損害賠償責任保険等への加入

(2) 自転車利用者に交通ルールを守ってもらう

①「自転車安全利用五則」の活用

1) 車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先

2) 交差点では信号と一時停止を守って、安全確認

3) 夜間はライトを点灯

4) 飲酒運転は禁止

5) ヘルメットを着用

③スマホのながら運転、傘差し等の片手運転,イヤホン等を使用した運転の危険性の周知

④自転車を用いた配達業務中の交通事故を防止

(3) 特定小型原動機付自転車のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底

 

【私たちにできること】

日本では統計上、1分に1件の割合で交通事故が起こっているとされています。

今こうしている間にも、この国のどこかで交通事故が起こっているという厳しい交通事故情勢を、まず私たちは受け入れなければならないのかもしれません。

そしてそこから、私たち一人一人が交通ルールを守り、相手に対する「思いやり・ゆずり合い」の気持ちを持って交通マナーを実践することが大切だと思います。

交通安全に対する私たち一人一人の更なる意識の向上が、実際の交通事故に注意した交通行動につながり、それが交通事故の抑止に寄与することを私たちも望んでいます。

 

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