足立区 交通事故治療 常磐線・千代田線の綾瀬駅西口1分 整形外科、内科、リハビリテーション科

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五十肩は痛くても動かした方が早く治る? -第2回 五十肩の動かしていい時期と悪い時期-

こんにちは。
前回(第1回)では、基本的な五十肩(肩関節周囲炎)の病態と、それに繋がる習慣についてお話しました。

 

あやせ駅前整形外科・内科でも「五十肩」と言っても、実際は年齢問わず肩関節周囲炎の症状をきたす患者さんが来院されます。

 

その中でもよく耳にするのが、

「痛くても動かしたほうがいいと聞いて動かしたら、余計痛くなった」

というお話です。

 

肩関節周囲炎の回復過程には時期に応じた症状の変化があり、これに応じた治療や対処が必要です。

これを間違えると症状の悪化や回復が遅くなり、長い方ですと1年以上回復に時間がかかることもあります。

 

今回は肩関節の回復過程と、その時期に応じた対応についてお話ししていきたいと思います。

 

【五十肩(肩関節周囲炎)の回復過程と特徴的な症状】

①急性期

肩関節周囲の痛みが急激に増悪するのが特徴で、2週間~3ヶ月間と、痛みが続く期間は個人差があります。

頭の後ろに手を回すような動作(結髪動作)や腰に手を回す動作(結帯動作)で痛みが出やすいのが特徴です。

運動痛

はじめは動かさなければ痛くないような症状ですが、そのうちじっとしていても痛みが出るようになり、悪化すると夜間の自発痛(じっとしていても痛む)で仰向けに眠れなくなることもあります。

夜の痛み

肩の前面から上腕部の外側にかけて痛むことが多く、ピークになると不意の動きや外力による、意図しない動きで悶絶するような耐え難い痛みになってしまいます。

痛み方は突発的であり、一度痛みが誘発されると数分間痛みが持続することもあります。この頃から肩関節の挙上制限が出始めますが、その主因は痛くて挙がらないというものです。

この時期は炎症が起こっていることがほとんどで、安静が必要な時期となります。逆に無理に動かそうとすると痛みが増悪し、耐え難い痛みへと移行してしまいます。

 

②拘縮気/亜急性期

炎症症状が軽減され始め、自発痛や夜間時痛が減少し始める時期です。痛くて挙がらないというよりは、うまく力が入らない、動かすのが怖くて挙がらないという方がほとんどです。中には痛くなければ徐々に可動域が改善していく方もおられます。

悶絶するような疼痛は改善されてきますが、急な動きに対しては強い痛みになりやすく、痛みもうずく感じで残りやすいです。ただしゆっくりとした動きであれば疼痛が出にくい傾向にあります。

痛む場所にも少し変化が現れます。肩の前面よりは、上腕の外側に痛みを感じるようになってきます。

これらの反応は、突発的な痛みを回避するための防御的な過緊張がもたらすもので、炎症の時期が長いほどその緊張は高くなり、その後の肩関節の硬さにもつながっていきます。

また炎症期が長引いてしまうと慢性痛に移行してしまい、肩関節を動かすイメージが低下してしまい、関節を適切な力で動かすことがしにくくなる方もいます。その結果、あまり動かさなくなったり、無意識で力を入れすぎてしまったりと極端な動きになってしまうことで、肩関節の運動に支障をきたすようになります。

※詳しくは当サイトの医療情報内、2021年10月27日に掲載されております「体の痛みは心と関係がある?-第1話 痛みとは何か?-」をご参照ください

 

この時期の経過としては、急性期発症から1ヶ月間~半年間程度かかる方もいらっしゃいます。急性期の痛みがどれぐらい続くかに影響を受けます。

 

③慢性期/回復期

肩の痛みは急激に低下し、痛みが誘発されてもその時だけになります。急性期との痛みの明確な違いは、痛みが誘発されてもその痛みが残ってしまうのか、それともその時だけなのかという点になります。痛みの感覚としては「伸ばされる痛み」が主体で、不快な痛みというよりは、むしろ気持ちいい程度の痛みに感じるようです。

炎症反応により活動できなかった筋群も活躍できるため、いわゆる筋肉痛を起こすことから、痛みの上昇と改善を繰り返しながら、全体として痛みの改善に向かいます。

急性期、亜急性期が短く、慢性痛に移行しない患者さんでは、可動域が1週おきに改善が見られ、日常生活動作の制限もこれに伴い解消されてきます。

逆に、急性期、亜急性期の痛みの管理が上手くいかず、慢性痛に移行してしまった場合には、関節が硬くなってしまい可動域の改善に時間を要するようになってしまいます。

このことから、痛みの時期が長いことで可動域の制限をきたすと、日常生活の制限から解放されるまでに、急性増悪から2ヶ月間~1年間程度と回復の個人差が大きくなるわけです。

2、3ヶ月間経っても急性期のような症状が持続する場合には、肩関節を取り囲む筋群自体に損傷が疑われるため、より精密な検査が必要になってくるケースもあります。

 

【回復時期に応じた対処法】

①急性期

まずは患部の安静を優先し、痛みを誘発する動作を抑制します。ただ単に動作を抑制するのではなく、なぜ痛みの出る動作を抑制しなければならないのかを理解して行うことが大切です。

急性期から亜急性期、回復期の回復過程を十分に理解し、動かしてもいい時期を見定めて動き始めることが大切です。

この時期の最低目標挙上角度は90度程度で十分です。肩が硬くなるのを焦って動かすと逆に症状の悪化を招くため、最低でもこの角度を維持できていれば大丈夫です。

また、痛みのスケジュールを理解しておくことで、なぜ痛むのかを理解しておけば、不快な痛みにならずにすみます。わけもわからずに痛むのが一番不安ですし、どうしていいのかわかりませんよね。自分の痛みが今どの時期にあるのかを理解することで、無理に動かすことで長引いてしまう急性期の時期を早く終わらせることができます。

そのためには、日常的に疼痛が誘発される動作を確認し記録してもらい、同様の動作は抑制していきます。ただし極端な運動抑制は先々の関節の硬さににつながる可能性もあるため、痛くない動作は制限する必要はありません。痛くない方法と動作を習得して日常生活に取り組んでいただくことが大切です。

この時期特に注意が必要な動作として、体のラインよりも後方に腕を回すような動作には十分注意が必要です。

頸の後ろから後頭部にかけて手を回すような動作、腰に手を回すような動作、後ろのものを取ろうとして手を伸ばす動作では突発的に悶絶する痛みになりやすく、炎症を増悪させる要素にもなります。

また、急性期の痛みがピークを迎えると就寝時の肩の痛みで眠れなくなる方もおられます。この場合、姿勢によって痛んでいる筋群が引き延ばされたり、縮んだりして痛むケースも多いため、クッションなどを利用して痛みを抑制していきます。

 

<クッションの使用例>

○仰向けの姿勢

肩前面の筋群が伸張されやすいため、肩の下にタオルや薄いクッション、を敷き、また肘とお腹の間にクッションを置くと手の置き場が楽になります。

○横向きの姿勢(痛い肩が上)

自分の体と同じ幅ぐらいの抱き枕(布団を丸めたものでも結構です)を抱いて寝たり、肘の下に薄いクッションを挟んで寝ると楽になることが多いようです。

 

②亜急性期

この時期は痛みが治まってきても、痛みが残るほどの動きを繰り返すことで急性期のような症状に戻ってしまいます。

痛みが楽になってくるとついつい以前のように動かしたくなってしまいますからね。

肩を動かす目安としてはじっとしていても痛むような自発痛がないこと、多少痛くても痛みが残らないことが大切です。

特にこの時期は、痛んでいる筋群に力が入り始めるため、うまく加減ができず、力が入りすぎることで痛みになりやすい傾向があります。フワフワと動かすイメージでゆっくりと動き始めることが大切です。

また、肩甲骨の動きが硬くなることで肩関節の負担も大きくなります。痛みのない範囲で脇を閉めて肩甲骨をゆっくりと動かすことも有効です。

この時期の最低挙上角度は、前方に斜め45度でもいいので、挙上120以上が必要です(グリコのポーズみたいな感じです)

 

③回復期/慢性期

自発痛や夜間時痛は観察されず、痛みの誘発があったとしても筋や組織の伸張痛がほとんどです。不快な痛みというよりは、むしろ少し気持ちいいような伸ばされる痛みです。

おおよそ積極的に動かしてもいい時期にはなりますが、中には注意が必要な場合もあります。この時期に注意しなければならないのが、組織の硬さが残っていることに由来する引っ掛かりや挟み込みによる痛みです。

特に肩を外に90度広げ、小さく挙手をするような動作、うつ伏せで寝るときに腕をおでこに当てるような動作で肩がツーンと痛むようなときには、専門的な対応が必要なため、無理に挙げることをしてはいけません。

また堅さが強く残り、ご自身で上げることができない場合にも、専門的な対応が必要になります。

 

【第2話 まとめ】

典型的な五十肩(肩関節周囲炎)の回復過程としては、

炎症期:「夜も寝られない程の、耐え難い痛みの時期」

亜急性期(拘縮期):「痛みが落ち着いてきたが、肩がうまく挙がらない時期」

回復期(慢性期):「痛みがなく徐々に肩が挙がるようになってくる時期」

に分けられます。

自然と治る場合もありますが、無理に動かしすぎることで症状が長期化する場合もあります。治療の原則はそれぞれの時期を段階的にクリアしていくことが大切です。

「痛い時期は無理をしない」→「痛くなくなったら動かす」

最低でもこのステップは必要です。

しかし、病状の詳細がわからないまま無理に進めてしまうと、それも症状の悪化や長期化につながってしまいます。

適切なタイミングでの動かし方には、専門性が必要であり、「頭の後ろに手を回すと痛む(結髪動作障害)」、「腰の後ろに手を回すと痛む(結帯動作障害)」を感じたら、迷わず整形外科を受診することをお勧めします。

適切な対応ができれば、炎症の時期を早く終わらせ、最短での回復も目指せますので、症状を感じたら、いつでもあやせ駅前整形外科、内科にご相談ください!

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