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交通事故治療について知っておきたいポイントとは?
整骨院・整形外科の違いについても解説します!
「交通事故にあってしまい、怪我を負ってしまった」交通事故は自分に非がなくても誰にでも起こりうることです。
しかし、いざ自分の身に降りかかったときどうすればいいのか不安を抱えている方も多いと思います。
この記事では、交通事故の怪我の治療についてどんな流れで治療を受けるのか、知っておきたいポイント、また、注意したいポイントについてもご紹介しています。いざという時に備えてぜひ参考にしてみてください。
交通事故による怪我とは?
交通事故による怪我には打撲・骨折・むちうち、場合によっては目や耳に影響が出る場合などがあります。目が見えづらい、耳が聞こえづらいなどの症状は脳へのダメージが考えられ、後遺症が残ってしまうケースもあります。
治療期間の目安としては打撲なら1~2ヵ月程度、骨折なら半年程度、むちうちは3ヶ月~半年程度、視覚や聴覚に関する症状だと1年かそれ以上治療が必要になるケースもあります。
保険会社ではこの治療期間の目安として、「DMK136」という基準があります。Dは打撲、Mはむちうち、Kが骨折を意味しており、それぞれ1・3・6ヶ月が目安になるということを意味しています。
交通事故による怪我は事故にあった当日は症状がなく、翌日やしばらく経ってから症状が出てくるケースがあるため、交通事故にあってしまった場合は強い自覚症状がなくてもすぐに病院へ行き、医師の診断を受けて診断書を作成してもらうことをおすすめします。後で慰謝料を請求する際にも重要な書類となります。
治療が長期化する症状とは?
交通事故の怪我の中でも治療が長期化しやすいのがむちうちです。
首や肩に痛みやしびれが出たり、頭痛やめまいとして症状が出る場合もあります。
特に自律神経に障害が出ている場合の症状(倦怠感やめまいなど)や神経根損傷による症状(しびれや知覚障害など)は特に治療が長引くケースが多いです。
保険会社の治療期間の目安ではむちうちは3ヵ月とされていますが、実際の症状や回復の度合いは個人により様々で、3ヵ月より長く通院が必要になる場合もあります。
交通事故治療の打ち切りとは?
交通事故で怪我を負った場合、加害者側の保険会社から治療費が支払われたり慰謝料を請求できる場合があります。
一般的に治療期間が長くなると、請求できる慰謝料の金額が多くなるケースが多いです。
しかし保険会社ではむちうちの治療期間を3ヶ月程度としているため、3ヶ月以上治療が長引くと保険会社側から治療の打ち切りを提案されることもあります。
実際に治療の継続が必要である場合には、医師に相談し、治療期間終了(これ以上の回復が見込めない)目安を伝えると打ち切りを延長してもらえる場合があります。
また、もしも一旦打ち切りになってしまっても以降にかかった治療費を後から加害者側の保険会社に請求することもできるので、きちんと必要に応じた治療を続けるのがよいでしょう。
保険会社としては治療費の支払いが長引くほど費用が膨らむため、費用を抑えたいという理由もありますがきちんとした理由があれば対処することができるので医師としっかり相談することが重要です。治療の終了を判断できるのは医師であり、保険会社ではありません。
交通事故治療をするなら整形外科・整骨院(接骨院)どちらがいいの?
交通事故で怪我を負った場合、整形外科・整骨院(接骨院)どちらで治療をするのがよいのかという疑問はあちらこちらで見かけます。原則としては「整形外科」の受診をお勧めしますが、重要なのは、整形外科と信頼関係をしっかりと構築できている整骨院(接骨院)と整形外科を選ぶということです。
保険会社に治療費を支払ってもらうためにも、整形外科を受診することは大変重要です。
整形外科と整骨院(接骨院)の大きな違いは「病院・医療機関」であるかどうかという点です。
病院・医療機関を受診せずに、整骨院や接骨院、鍼灸院などで治療を行った場合、保険会社から治療費を支払うことができないと言われてしまう場合があります。
これは、整骨院(接骨院)などの治療だけでは、治療の必要性、治療施術の有効性において信頼度が低いと判断される場合があるからです。そのため、整骨院(接骨院)などで治療を受ける場合は、連携の取れている医療機関、病院を定期的に(少なくとも月に1度)受診し、治療が必要であることをしっかりと証明できるようにしておく必要があります。
また、注意したい点としてきちんと国家資格を持った施術師ではない場合、治療行為とは認められません。
整骨院・接骨院なら柔道整復師、鍼灸院なら鍼灸師など施術をするために必要な国家資格があるので比較的安心ですが、整体やカイロプラクティックなどは国家資格がなくても施術を行うことができるため注意が必要です。
交通事故治療のおおまかな流れ
交通事故治療を受ける場合は、おおまかに下記のような流れとなります。
①初めは病院・医療機関の整形外科で診断を受ける
②整骨院や接骨院などで治療を受けたい場合は、病院の医師に許可を得る ※相手方の保険会社にその旨を事前に連絡する ③定期的(整骨院・接骨院などで治療を受ける場合も月1回程度)に病院で診断を受ける |
治療は医師と相談の上必要がなくなるまできちんと通い、整骨院(接骨院)で治療を受ける場合でもかかった治療費をきちんと受け取るためには医師の許可と定期的な通院がポイントです。
治療費の請求方法とは?
基本的に事故の加害者側が任意保険に加入している場合は、加害者側の保険会社が事前に病院に連絡し、治療費を代わりに支払う手配をしてくれるため、自分で治療費を払うということはありません。
ただし、加害者側の保険会社が病院に連絡をしていない場合、自身が一時的に立て替え払いをする場合もありますが、保険会社から病院に連絡が入れば、返金されるので問題ないでしょう。
尚、加害者側の保険会社によっては、一旦自身で支払い、後で治療費を保険会社に請求するパターンもあるので領収書の保管には注意しましょう。
相手側が任意保険に加入していない場合、相手側の自賠責保険に被害者請求をして治療費を支払ってもらうか、自分の自動車保険にある人身傷害保険で治療費を支払うというパターンもあります。
被害者請求とは自賠責保険に被害者自身が直接請求をすることです。手続きを行う手間がある反面、加害者が介入することなく自分の主張ができるので納得した補償を受けられるという面もあります。
慰謝料について知っておきたいポイント
怪我が完治したりそれ以上回復が見込めない状態(症状固定)となり治療が終了すると相手側の保険会社と示談交渉が始まります。
具体的には、日常生活に支障が出た苦痛による入通院慰謝料、後遺症が残ってしまった場合の後遺障害慰謝料などがあり、金額の算出には治療期間も影響してきます。
そのため相手側の保険会社に治療の打ち切りを打診されたとしても、すぐに承諾せず治療の必要があれば医師に相談の上治療を継続することが重要です。
また、慰謝料の金額を算出するためには自賠責保険基準・任意保険基準・弁護士基準のいずれかの基準を用いて計算されますが、金額が最も高くなるのは弁護士基準です。例えばむちうちで3ヵ月治療を行った場合、入通院慰謝料は自賠責保険基準なら37万8,000円、任意保険基準なら自賠責保険基準と同額程度、弁護士基準なら53万円となります。
保険会社とのやりとりに不安がある方は弁護士に相談するというのも手段のひとつです。
まとめ
交通事故治療について、その症状や流れなどをご紹介してきました。交通事故治療において最も重要なことは、きちんと医師による診断を受けることと、正しく保険会社に連絡して必要な治療を継続することです。
慣れない保険会社とのやりとりや怪我の治療を並行して行うことは負担も大きく大変なことです。しかしその後の慰謝料請求や自身の健康のためにもきちんと治療を行うことはとても重要なポイントです。
これから交通事故治療を受ける方はトラブルを避けるためにも今回ご紹介したポイントを参考にしてみてください。